監査で使えるコネタ製作所

ある東海地方の会計士試験合格者が見つけた監査に役立つコネタを書き綴ります…

源泉所得税の計算は2通り!合わないからと言って慌てない

皆さんこんにちは、茶そばです。

 

今回のテーマは「源泉所得税」です。

会計士試験を受けられた皆さんならば、もうお手の物?ではないでしょうか。

 

最近の論文式試験では、租税法の中で源泉所得税が登場することも珍しくありません。

しかし、元々問題に所与の数値を単に差し引きするだけで、金額そのものの計算はあまりしたことがないのではないでしょうか。

 

実は私も、実務に出てから源泉所得税の計算方法を知りました。

といっても何ら難しいことはありません。

計算に必要な知識はたったの2つ!

源泉徴収税額表」と「財務省告示」です。

 

1.源泉徴収税額表を用いて源泉徴収税額を求める方法

 

皆さんはこんな表を目にしたことはありませんか?

 

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 これは国税庁のHPに掲載されている「給与所得の源泉徴収税額表」を抜粋したものです。

実は、源泉徴収税額はこの表を用いて決めています!

 

なんだか所得税の勉強をしたことがある方にとってみたら、とても簡単に思えるのではないでしょうか。

長ったらしい計算式があるのではなく「その月の給与」を、表に当てはめて源泉徴収税額を計算するだけです。

 

この方法によれば、誰でも簡単に計算できますし、すぐに税額が求められます。

源泉所得税は税法上、給与を支払った月の翌月10日までに納付しなければなりません。

もしもこれがややこしい計算式ならば誰も、そんなに早く納付することはできないでしょう。

そこで、誰でも簡単に源泉徴収税額を求められるように作られたのがこの「源泉徴収税額票」なのです。

 

 

2.財務省告示を用いて源泉徴収税額を求める方法

しかし源泉徴収税額表はよいことばかりではありません。

数人程度の従業員ならば、この表に当てはめて計算すればよいのですが、何百人何千人と給与を支払う大企業ならば、こんな表に当てはめている時間の方が無駄です。

しかも今時パソコンを用いて給与を計算しているにもかかわらず、表に当てはめるなどと言うアナログなことができるでしょうか。

 

そこで考え出されたのが「電子計算機等を使用して源泉徴収税額を計算する方法を定める財務省告示」というものです。

端的に言えば「本当なら源泉徴収税額表を使わなければならないけれど、パソコンで給与計算をするならある算式を使って求めてもかまわないよ」という財務省からのお達しです。

 

この方法によると、計算式で源泉徴収税額を求めることができるためパソコンのような大量に同じ処理ができる機械にとても適しています。

事務手続が簡単になるというメリットがあると言うことですね。

とはいうものの、税額表を用いて計算した場合とズレが出るものといわれています。

それゆえ、原則である「税額表」を使って計算された源泉徴収税額と、財務省告示を使って計算された源泉徴収税額との差額は「年末調整」で清算するとされています。

 

計算式はやや複雑ですので、ここでの説明は割愛しますが、Excelファイルにまとめてみました。

https://yahoo.jp/box/A8xMSj

どうやって計算されているかを、確認するのによいかと思います。

 

<おわりに>

源泉徴収税額を1つ取っても、2つも方法があります。

監査をしているときに、いつものやり方ではどうもうまくいかないと言うときには、視野を広げて、他の方法を探してみてはいかがでしょうか。

 

<参考リンク>

平成29年分 源泉徴収税額表|パンフレット・手引き|国税庁

平成30年分 源泉徴収税額表|パンフレット・手引き|国税庁

→暦年ごとに改正されるので、注意してください。